七五三に着る着物の柄にはどんな意味がある?

七五三に着る着物の柄にはどんな意味がある?

七五三のときにこだわりたいのが着物ですよね。
お子さんの晴れ姿を活かせる着物を選びたいと思うのは当然でしょう。
しかし、何を選べばよいか、選択肢が多くて悩んでしまいますよね。

当記事のテーマは、「着物の柄の意味」です。
柄を決められないときは、柄の意味から考えてみるのも良いでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。

七五三の着物にはどんな意味が込められている?

女の子の着物に込められている意味

七五三において女の子の着物に込められているのは、「美しく育ってほしい」「幸せになってほしい」という願いです。
この願いに沿った着物の柄が用いられています。
柄については日本古来の縁起物をモチーフとしていることもあれば、中国由来のものを描く場合もあります。

なお、3歳のときであっても5歳のときであっても7歳のときであっても、柄が大きく変わることはありません。
着物の表面積は変わるので、デザインのバリエーションは増えるでしょう。

男の子の着物に込められている意味

男の子の場合、七五三は5歳のみという地域も多いです。
中には、3歳のときも行う地域もあるでしょう。
現在では7歳のときもしっかりお祝いする地域も増えてきており、一家の方針に合わせて大丈夫です。

男の子の七五三で5歳が重視されているのは、平安時代における袴着という儀式がルーツにあるためです。
男の子が初めて格式高い礼装をするのが袴着であり、現代の七五三では羽織袴を身に着けることになります。

この着物に込められているのは、「強くたくましく育ってほしい」「災いに見舞われないように育ってほしい」という願いです。
この願いに沿った柄の着物が着用されるのです。

女の子の着物の柄に込められている意味

より詳細に、柄についても見ていきましょう。

・花

女の子の着物で最も多い柄です。
花のように美しく、華やかに育ってほしいという願いが込められているのでしょう。
花と言っても内容は様々で、広く愛される桜、古来から親しまれる梅、富貴の象徴とされるボタンなど多種多様です。

・熨斗、束ね熨斗

もともとはアワビの肉を削いで乾燥させたもので、儀式に備えられていたものです。
柄としては細長い帯状の物を何本か重ねた「束ね熨斗」が有名でしょう。

ここには、「ご縁を大切にしてほしい」「周囲の人と幸せを分かち合ってほしい」という願いが込められています。
もちろん文様としても美しく、華やかなためそこに惹かれて選ばれる方もいらっしゃるでしょう。

・手まり

まりの文様には高貴さが現れています。
平安時代、蹴まりが貴族の遊びだったことが、この理由でしょう。

そんなまりに込められてるのは、「何事も丸く収まりますように」「丸々と健やかに成長しますように」という願いです。
また、まりは子供の遊び道具であり、「子供が寂しくならないように」という願いも込められています。

・貝桶

貝桶は、平安時代の貴族の遊びである貝合わせに使う貝を収めておく道具です。
中世になると嫁入り道具の一つとなりました。

貝桶に込められているのは、「夫婦円満」の願いです。
貝桶は刺繍によって美しく装飾されることも多く、その美しさから着物に取り入れられるようになっています。

男の子の着物の柄に込められている意味

・兜

兜は、体の中でも守りたい部位である頭を守る防具でした、
ここから、「邪気や災いから体を守る」という願いが込められるようになりました。
また、その装飾の絢爛さは高い地位の証であり、「出世・大成」といった願いも込められるようになりました。

また、兜の正面についているのは龍の装飾であり、これもとても縁起の良いものとされています。
だからこそ着物の柄として採用されてきたのです。

・鷹

鷹は鋭い目をしており、本質を見抜く動物とされています。
爪も鋭く、獲物を捕らえて離しません。

そんな鷹の柄に込められているのは、「一度つかんだ運を手放さない」という願いです。
先見の明で運を掴み、そして手放さないようにという意味が込められています。

・軍配

現代では相撲の行事が使う道具です。
もともとは武将が塀を指揮するときに使われていた道具です。

このような背景から、「リーダーにふさわしい知力や体力を持ってほしい」という願いが込められています。
また、「進むべき道を誤らないで欲しい」という願いも込められています。

・打ち出の小槌

昔話の一寸法師に出てくるものです。
願い事を叶えてくれるこの小槌の柄からは、「人生でモノやお金に困らないで生きて欲しい」という願いが込められています。
着物の袖や裾に描かれることの多いモチーフです。

まとめ

一般に女の子の着物には「美しく育ってほしい」「幸せになってほしい」という願いが、男の子の着物には「強くたくましく育ってほしい」という願いが込められています。
また、当記事では柄ごとに様々な意味が込められていることも紹介しました。
お子さんへの思いもじっくりと考えた上で、柄を選んでみてください。